釣りの中でラインの沈み方はどんな影響を与えているのでしょうか?
トップウォータールアーを使っている時、糸が水中に沈んでしまうことでアクションにどんな変化が起きるでしょう?
しっかり底をトレースしたいとき、軽めの糸よりは重めの糸の方が長い距離狙いのレンジをトレースできないでしょうか?
このように考えていくと、ラインの沈み方の影響がルアーの泳がせ方等に影響が出ていることが想像できます。
では、ここにはどのようなメカニズムがあるのでしょう?
糸の重さとは?
水中での糸の様子を考える際、重要なのは糸の密度です。わかりやすく言うと、一定の長さでの糸の重さのことです。
この数字が1.0の場合、水と密度が同じになります。水の密度は1.0です。(詳しい方は温度によって違うというかもしれませんが、そこまでの詳細には触れません。)そして、水の密度に対してどれだけ密度が大きいかを示した比が比重です。糸の密度が1.0の時(比重1.0)、糸の切れ端をつまんで水中に入れそっと放せば糸はそのまま留まります。沈みもせず浮きもしません。
そして、この比重の数字が大きくなると水より重い(密度が高い)ことを示します。つまり、水より大きければ沈む。さらにこの数字がより大きければより速く沈みます。
素材による比重の違い
糸の違いで沈み方が違う経験をしていると思います。PEは水面にぷかぷか浮いて。フロロはスッと水面から見えなくなる。PEはモノフィラメントラインではなく表面の凹凸があるので、直接比較は難しいですが、ナイロンとフロロでの差ならそれは密度の違いからくると言えます。
素材ごとの比重を見てみましょう。

PEは水より小さい=水に浮く。
ナイロンは1.14で水より大=沈む。フロロは1.78なので、ナイロンより速く沈む。
これがこの表から分かります。
この表中で、モノフィラメントラインでないのはPE(ダイニーマという繊維を編んだもの)です。それ以外のモノフィラメントではハイテナのドライニクス(未発売)が最も小さい値。次にパラニクスが来ます。
表の中で色がついている物はすでに商品化されている物です。色分けしてあるものは、パッケージに同色のマークが入れてあるためです。
例えばアクアニクスLTの場合は下のようなスプールに巻いてあります。
左側にある白いバー。この色が素材ごと変えてあり、スプールを見ればどの素材かどうか見分けられるようになっています。
比重の違いによる影響
比重による違いを簡単なモデルで説明します。
沈むルアーを使う場合は下のような状況になると考えられます。

理想のライン状態は直線です。針までの距離は最短が最も感度がいい状態と言えるためです。これに近づけたいと考えた場合、比重は1.0に近い方がいいです。通常のナイロンより比重が小さいハイテナのスーパニクスでここでの理想に近いライン状態を実現できると考えられます。
また、しっかり沈んだ状態をキープしたい場合、深いレンジキープが重要になる釣り方の場合は比重が大きいラインが良さそうであることがこの図からもわかります。
フローティングルアーの場合は下のようになります。

水面に浮かせるならPEです。しかし、PEは結びが難しい、透明にできないなどの理由から応用範囲は狭い。
こうなるとなるべく比重の小さいモノフィラメントが有利であることが分かります。
この場合は通常ナイロンよりハイテナのスーパニクスが有効である場合が多いです。トップウォーター、特に水面を割ることでアクションするようなポッパーやペンシル等を使う場合、ルアーのパフォーマンスを最大限引き出せるのがスーパニクスであるかもしれません。ただし、糸の重さがある程度ある前提でルアーが設計されていることもありますので、軽ければよいかどうかは総合バランスが重要になりますね。
上の図では分かりやすくするため、道糸を通しで、つまり道糸はモノフィラメントのみで考えています。
PE+リーダー、そしてエステル+リーダーの場合も考え方は同じです。PEを使いつつあえて重めのリーダーを使う。もしくは感度がいい使い慣れたエステルを使いたいが表層系を攻めたい場合はスーパニクスUTのリーダーを使う選択肢があります。
もう一つの要因
比重に関して、あまり語られることのない要因がもう一つあります。飛距離です。
比重が小さい方が飛距離が伸びます。同じ直線強度の糸の場合、より比重が小さい方を選んだ方が良く飛びます。
PEを使うと飛距離が伸びるのはこのためです。
ルアーが飛ぶとき、糸がルアーに引っ張られて飛んでいきます。
ルアーだけを飛ばすなら、糸が高切れした時が一番飛びます(誰もこんなことは望みませんが)。糸が引き出される抵抗なくルアーが飛んでいくからですね。
飛距離ならPEですが、PEを使いにくい状況があります。
ライトリグの釣りです。
エリアトラウトで1.5グラムのルアーを投げたい。竿も繊細でガイド径は小さいのでPEとリーダーの結節はムリ。
モノフィラメントラインでの選択肢の中で最も感度がいいのはエステル。だがこちらもリーダー必須。
こういったシチュエーションこそハイテナのスーパニクスUTトラウトです。
ラインの比重で釣りがどう変わるのか?一度お試しください。
ラインの伸度と感度についてはこちらのサイトをご覧ください。


